「本来、私は叔母さんに引き取られる予定だったんです。
でも叔母さんは、妹であるお母さんのことをひどく嫌っていました。なぜだかは分かりませんが、いつも嫌味を言ったりしていて……。それを見ているのも辛くて。
きっと叔母さんは私のことも好きじゃないと思います。
あまり……叔母さんの子供達と会わせてくれませんでしたから…」
私がそう言うと、棗様はふむと顎に手を添えた。
「それで花もその叔母さんのことがあまり好きじゃないんだな」
私は小さく頷いた。
……叔母さんと一緒に暮らす事にならなくて、本当に良かったと安心してる自分がいる。
でも、それが本心なんだ。
「今でもその叔母さんの夢を見るってことは、まだ花の中ではけじめがついてないってことだろ?」
その棗様の言葉に、私は「え?」と顔を上げた。
棗様はベッドに座ったまま、じっと私を見上げている。
「会いに行こう。その叔母さんに」

