イケメン王子の花メイド





後ろ手に書斎の扉を閉めてから、一気に体の緊張が解かれる。


どくんどくんと鈍く鳴る心臓に、私は戸惑いを隠せなかった。




そういう、関係だったのかな。


だから私がいたら嫌だったのかな。



棗様と二人きりになりたいと思うのは、当然だったんだろうな……。




フラッと歩き出すが、その足はふるふると震えている。



なんとなく、そんな気はしてた。


お茶会の時棗様と話していた綾小路様は、いわゆる乙女の表情をしていたんだ。


可愛らしく頬を赤くして、楽しそうに笑顔で話す綾小路様は魅力的だった。



あの時に感じた不安感と、絶望感が再び私を襲う。




泣いちゃ駄目なのに




目頭がじんわり熱くなり、私は何度も何度も瞬きをした。