* * * 「棗くん」 「え……ああ、綾小路さん」 学校にて、噴水のそばに腰掛けていた棗は綾小路によって声を掛けられた。 にっこりと微笑む綾小路は、自然と棗の隣に腰を下ろす。 「この前のお茶会は楽しかったなー」 「それは良かったです」 「……あのメイドの花ちゃんとは、仲良いの?」 「え、花ですか?」 まさか花の話題を振られるとは思っていなかった棗は、少し戸惑いの様子を見せる。 最近妙に花が気になっている棗にとって、動揺するのも無理もないのである。