────学ランのボタンには意味がある。
上からよっつめは家族、みっつめは友人、ふたつめは一番大切な人、ひとつめは……自分。
みんなにとっては大切な人にあげるという第二ボタンがいいのかもしれない。
だけどわたしは君のことを教えてくれた第一ボタンが。
桜田くんが欲しかった。
今度はボタンじゃ足りない。
本当の君がいいから。
誤魔化さない、シンプルな言葉で言わせて。
「桜田くん、あのね──」
桜田くんの第一ボタンは君への想いの代名詞。
何年経ってもこの想い、ボタンのそばでサクラ咲ケ。
「好きです」
fin.