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「ふ、ぅぇ、ち、千果ちゃぁ」

「ちょ、咲良泣きすぎ!」



号泣してすがりつくわたしに対して、冷たく失礼な発言をする千果ちゃん。

瞳は全く濡れていない。

つまり泣いていないってことで……すごいなぁ。



「しょ、しょうがないでしょぉっ。
卒業、しちゃったんだ、もん」



拭っても拭っても、止まる兆しのない涙。

だって、さみしくて堪らない。



もうみんなと会うことさえ気軽にはできない。

朝には教室に入って挨拶をして、返事があって、おしゃべりして……そんな普通だと思っていたことはもう二度とないんだって気づいてしまった。



今までわたしがなんともなく過ごした時間はもう戻らない、とても大切なものだったんだって。

そう思ったら泣かずになんていられないよ。



わたし、このクラスのことが好きだったんだなぁ……。