【完】斜め前と、ちっぽけな涙。

連れてこられたのは、誰もいない



シーンと静まり返った廊下。




「石田くん、どうしたのっ……?」




ドンッ



へっ!?……



な、な、何が起こってるの…?




後ろは壁。あたしの顔の横には、石田くんの手。



こ、これって……




壁ドンってやつ……!?!?




あたしは一歩後ずさりをした。




背の高い石田くんは、あたしが顔を上げないと見えない距離。




いつもと変わらずギロッと鋭い目付きであたしを睨む。





「…………あのっ…」




勇気を出して、話しかけても、返事はない。




な、なんなの?!