「海さんですね。こちらへどうぞ」 スタジオに入ると僕の顔と手にしている資料を見て、スタッフさんが僕と判断したのか、手招きした。 海っていうのは、ペンネームね。 自分の名前の中で一番好きな字だ。 そして、君との思い出もたくさん詰まった場所の名前でもある。 君は知っているだろうか? ぼくがここにいるってことを。