__ピリピリと、前にも感じた、肌が痛くなるような緊張感に包まれる。
紗波の、リーダー格の男子を睨みつける瞳は、揺らがない。
不良達が鼻でせせら笑う。
「あ?なんだてめえ、悪魔の女か。しゃしゃり出るのはやめとけ、ぶっ殺すぞ」
不良達の間に、波紋が出来ていくように嘲笑いが広がっていった。
祐輝が小さく呟いた。
「…バ…久岡…どけ、よ…っ…!」
その声は耳に聞こえず、紗波は不良達を見比べながら、凝視する。
「…うるさい…!」
心の底から湧き上がってくる怒り。
窓の外に見える空は真っ青で、白い雲が見える__祐輝の顔色のような白。
何度も咳き込み、血を吐いている祐輝。
紗波は落ち着かない心を無理矢理 押し留めた。
「…あなた達は、集団じゃないと、何もできないの…?」
ピクリと、不良達やリーダー格の男子のこめかみが動く。



