「誰だお前は!?知らん、こんな奴ら俺は知らんぞ!」
「てめえは娘の顔も忘れたのかよ、ゲスが。お前のせいで久岡が…!」
「君、ちょっとやめなさい」
スーツ姿の男が、祐輝の手を止めた。
「私は片宮。小阪先生の…パトロンです。君、一度その手を放しなさい。聞きたい事がある」
そう言うと、スーツ姿の男__片宮(カタミヤ)は紗波の方を向いた。
ギュッと右手を握り締め、小阪と片宮を見据える。
祐輝が勢いよく手を放す。
「小阪先生の娘さんですか?」
紗波は何も言わず、一度、首を縦に振っただけだ。
そうですか、と言うと、片宮は問いかけた。
「小阪先生は知らないと言っていますが…仮にあなたが娘さんだとしましょう」
「違う!そいつは狂ってるんだ!俺は知らんからな!」
黙って下さい、と片宮は小阪に言い、見定めるように紗波を見つめた。
「証拠はありますか?」
祐輝が紗波の方を向く。



