君色キャンバス




(…ふざけんな)



中を見ると、紗波は薄暗い窓の外を眺めていた。



「…ふざけんな!なんなのよ、変な事 言って気にならせて!」



紗波が光を見て__少しの、穏やかさを感じさせる声で、言った。



「…私と光は、似てる」



「どこがって言ってんの!」



すぅ、と息を吸う音が聞こえ、フルッと身体が揺れたのが解った。



紗波が、無表情のまま、まっすぐに光を見て言った。



「…光も…他の人に、認められようとしてるから」



「…は?な、何 言ってん…の…?」



光が、訳が解らない、という風に紗波を嘲笑おうと微笑んだが、どこか、引きつっているように思える。



「…何を言ってるのか全くわかんない。気持ち悪い…」



冷えた空気が肌寒く、光こそ冬服に着替えているが、紗波は夏服のままだった。



寒がる様子も見せず、紗波は光に話しかけてくる。



「一番になって、他人に認めてもらいたい。でも、認めてもらえない」



「…久岡が悪いのに?」



憎々しげに笑って、光がからかうように言う。



「それに、アタシは認めてもらってる。…友達に…雪や、春奈や、真美に…」



「…認めてもらってないって、光は思ってる…」



「五月蝿い!呼び捨てもしないで!何にも知らないくせに!気持ち悪い、消えろ!」



はっと吐いた息が、ほんの一瞬だけ、白く儚く散っていった。