君色キャンバス




イラついているのか、足を早めながら、廊下を歩いていく光。



廊下は薄暗く、雨こそ止んだものの、冷たく空気が流れてくる。



(…なんなの、あいつら)



頭の中で渦巻くのは、ドロリとした真っ黒な風だった。



紗波と祐輝と、小百合の姿が写し出される度に、歯ぎしりをする。



(何が…イジメるんだよ、なのよ!こうでもしないと…)



ギリリ、と歯が音を立てる。



階段を登って行き、廊下の曲がり角を曲がると見える、美術室。



(…ふざけないでよ…アタシの…)



薄暗い廊下の中で、美術室は電気でもついているのか、明かりが漏れている。



両手を握りしめて、まっすぐにそこへ向かう。



美術室の数歩前で、光は立ち止まる。



「…っ…」



扉が少し開き、白い明かりが廊下の床に差し込んでいた。



光が、その明かりを嫌悪するように見つめる。



その時、黒い影が扉に近づいてくるのが、光には見えた。



「…っ…!久岡!」



人影が、ピタリと止まった。