休み時間。


「千尋くーんっ」


 愛美が俺を呼び、俺の方に駆け寄って来る。

 やめてくれ。

 そんなかわいい声で、仕種で、俺の名前を呼ばないでくれ。近付かないでくれ。


「寄るんじゃねぇ」

「え?どうして?」


 愛美は知らないから。

 俺がいつもどんなことを考えているのか、想っているのか、知らないから無邪気に笑っていられるんだ。

 平然と近付いてこれるんだ。

 そんなことをしたら、我慢ができなくなるというのに……。