それから思い出す。 「あの、男紹介っていうの…」 「しないに決まってんじゃん。俺次は銀司に殺される」 命がいくつあっても足りないらしい。 ちーちゃんが昇降口からこちらに歩いてくるのが見えた。 「あのさ、絶対に葵ちゃんは思ってないと思うけど。一応言っとく」 「ん?」 「俺が葵ちゃんに色々協力したのは、智子が葵ちゃんのことで悲しんだりするのを見るのが嫌なだけで、他意はないから」 「分かってるよ。ありがとう」 そんなことあっても困るし、私は佐月君を嫌いになってしまうだろう。