「じゃぁ…また」

「またな?」

二人が交わした別れの挨拶は意外とあっさりしたものだった。

でも
エレベーターの中で俺は心底ほっとしていた。

長い間悩まされていた問題事がやっと解決したんだ。

エレベーターを降りた俺は腕時計を見た。

「やべっ…」

約束の時間まであと10分。

「全速力で走ってギリギリってとこかな?」

俺はとりあえず待ち合わせ場所へ向けて走りだした。