普段だったら、こんなにブツブツ言ったりしない。

荒い言葉も、使ったりしない。

自分の周りに、今誰もいないからだ。

もしかしたら俺は、普段から我慢していたのかもしれない。


…なんかもう、わかんねーな。


はぁ、とため息をついて、屋上の扉を開く。

暑い空気と涼しい風が、頬に当たった。

コンビニ弁当の入ったビニール袋を持って、壁にもたれかかる。

影になっていて、涼しい。

久しぶりに、一人になった気がする。

高校に入って、学校では常に周りに人がいたから。

小学生の頃から友達は多かったし、人付き合いも下手な方ではないんだと思う。

けど、いつの間にか気疲れしていたのか。

『いつも明るいキャラ』が定着して、無意識にそれを保とうと必死になっていたのかも。

だから、心配してくれたみんなのことを、素直に受け止められなかったんだ。