水底に囁く。

マルカ。

ぼくは頭の中で繰り返した。

マルカ。人魚さんの名前。これからは、ぼくの名前にもなる。マルカ。

その名前をずっと繰り返していくうちに、ぼくの意識はだんだん小さくなって、消えていった。

意識がなくなる寸前、最後にこう思ったのを覚えている。

待っていて、人魚さん。必ずすぐに戻ってきて、君に物語を届けるよ。