物理的にしゃべれなくなった。 唇に、柔らかいものが触れてる。 「――!?」 アカツキの顔がゆっくり離れる。 「ふ、あ、わ」 言葉にならなかった。 唇に残った感触に、全身が鼓動する。 「これでも、賭けだと思う?」 階段の段差で、同じ高さにある王子の顔が、いたずらっぽく崩れた。 「う……ぐ……」 声にならない声が出て、アカツキが楽しそうに笑う。 顔が、熱い。 胸がきゅうきゅう締まって、もうこの場から逃げ出したかった。