「な、なんでだよ!!」
そう…。俺らの目の前にあったのは…
越えられない高い壁が立ちはだかっていた。
「待ってヨ!」
とうとう、鬼が後ろから迫ってきた。
携帯を見るなり、あと10秒で鬼ごっこが終わる。
それを確認し、何としてでも俺は千沙を守ろうと決心した。
10──
9──
8──
俺は千沙を壊れてしまう程抱きしめた。
そして、たった数秒なのにどんどん俺らに迫ってくる。
7──
6──
あと数センチでタッチされそうな距離にまで到達した。
そんな中、怯える千沙を庇うようにして俺は千沙をさっきよりもぎゅっと抱きしめた。
5──
4──
3──
2──
1──
「ねぇ、遊ぼ?」
鬼はニタァと笑いそう言って俺に手を当てた。
───あと1秒なのに───
俺はそんな事を思いながら涙を流した。
久しぶりに流した涙…。
そして、俺が消えてしまう瞬間…とっさに俺は千の耳元で呟いた。
──一緒に入れなくてごめんな?──
そして俺は意識を手放した。
【亮介side終了】

