【正汰side】
俺は隼人が出ていった後を追っていた。
隼人があそこまで言うなんて珍しすぎる。
隼人が怒るのも無理はない。
だって“好きな奴”が、叩かれたんだもんな。
俺だって…“好きな奴”が、あんな風になったら絶対怒り狂うだろう。
あいつが行くところは……多分屋上だ。
前からあいつは悩み事などがあると、決まって屋上に行く。
そして屋上についた。
ドアをそっと開けるとそこには隼人が、大の字になって寝転がっていた。
「……よく此処が分かったな」
隼人が、起き上がりながらドアを閉める俺に言う。
「当たり前だろ?何年も一緒にいんだからよ。」
俺はドアを閉めた後、胡座をかいている隼人に近寄った。
「そうだったな」
と苦笑いしながら隼人は呟いた。
少し沈黙が続き、俺がその沈黙を破った。
「……珍しいな。お前があそこまで言うなんてよ。」
さて、自分の気持ちに気づいたか?───
そう思いながら、隼人に言い放つ。
「……そうだな。…俺さっ、さっきので気づいたんだ自分の気持ちに」
そう言って空を見上げる隼人。
やっと両思いかよ。
でも、この鬼ごっこがなかったら……付き合えたのかもな。
いつ死ぬか分からねぇ鬼ごっこだからな。
…俺も早く伝えたほうがいいのかもな───。
そう思いながら、俺も空を見上げた。
【正汰side終了】

