「未桜…大丈夫?」
あたしは泣いている未桜に、そっと手を差し出した。
未桜は泣きながら『あ、ありが……とう』と言って、あたしの手を掴んだ。
そして、あたしは引っ張り座っている未桜を立たせた。
未桜の周りには隼人君を抜いたイツメン4人が立ち、未桜が泣きやむまでそばにいた。
「俺、隼人を追ってくる。」
いきなり正汰が言い出し、あたしたちの返事を聞かずに教室から出ていった。
千沙は『まったく……何なのよ!』と頬を膨らましながら言う。
亮介君はそんな千沙に『いつものことだろ』と呆れながら言う。
未桜は少しずつ泣き止んだが、まだ小さくシャックリをしていた。
鈴ちゃんは少し申し訳なさそうな顔をして『……ごめん』と呟きながら教室から出ていった。
みんな大切な友達を失っているからつらいに決まっている。
だけど……鈴ちゃんは友達も大好きな彼氏の一樹君までも、失ってしまった…。
だから鈴ちゃんは、あたし達の何倍も辛い事を今回の一件で分かった気がする。

