永久鬼ごっこ

「ぜ、全員とか冗談キツいよ…」
あたしが苦笑いをして言うが、正汰が『冗談じゃねぇーよ』とあたしに向かって言い放つ。

「まぁ、誰かの悪戯でしょ？ほかっとけばいいのよ」
千沙も続けて言う。
「あぁ、あんなの悪戯だとおもう。無視しておいた方が見いいんじゃないか？」
隼人君も付け足して言う。

でも……偶然過ぎ…。何で、昨日の”あの“時間に、しかもこの学校の１年生だけにメールが届いたの…？
しかも１年全員のメアド知ってる人なんていないと思うし…。

考えてたあたしの頭の上にポンっと温かく、大きい手が乗った。
「結美は、色々と深く考えすぎだぜ？どうせ、裏サイトで誰かが調べて送ったんだろ？」
正汰は微笑みながらあたしの顔を覗き込んだ。

──そうだね…。あたしの考えすぎだよねいや、そうであってほしい。

いきなり、ガラガラと音を立てながら教室の扉が開いた。
『そろそろSHR始めるぞー』
担任の先生が呼びかける。
そしてみんなはどんどん席に着いていく。

みんなが慌てて席に着く中、正汰に『ありがと…』とちいさく呟やいた。
正汰は静かに『おうっ』と言って他のみんなと席に着いた。