「そんなんだったら俺らの所に来いよ。なんかあってからじょ遅いんだぞ。」
沈黙を破るように正汰は真剣な目であたしに向かって言った。
だけどその目は、注意とか気を付けろとかそんな目ではなく、あたしに向かって他の何かを伝えたい思うような強く、真っ直ぐな目だった。
「だ、たって…見た瞬間に金縛りみたいに動けなくなっちゃって……。その場の状況を理解するのが大変で…。」
あたしはブツブツと呟き、最後に「ごめん…こんなの言い訳だよね」と苦笑いしながら謝った。
「べ、別に損なつもりで言った訳じゃ……」
正汰が少し困った顔であたしに向かって呟いた。
そして此処であたしと正汰の会話は途切れまた沈黙が始まってしまった。
学校についても誰一人喋らず、階段を登ったり廊下を歩いていた。
そして……いつの間にか騒がしい【1-D】とプレートがぶら下がるあたし達の教室が、目の前にあった────。

