「…鬼って俺と千沙の家の方向にいるっつてたな?もしも見つかったらどうすんだよ」
あたしはこの時、初めて亮介君の真剣な顔を見たのかもしれない。
そして…何かいつもと違う…。
「亮介って自分の事しか考えないのに、村岡の事まで気にしてんだよ?」
正汰があたしの代わりに質問してくれた。
亮介君は学校で恐れられているくらいの怖い人なんだって。しかも自分の事しか考えないことで有名らしい。
……でも今は、『俺と千沙の家の方向』って言ってた。
普通なら『俺の家の方向』って言うはずなのに…。
そして数秒で答えが返ってきた。
「なんでって…俺ら一週間前から付き合ってんだよ。」
亮介君がその言葉を発した時に、あたし・正汰・隼人君・未桜は固まってしまい、亮介君は真顔で千沙はほんのり顔が赤かった。
な…
「「なんで言ってくれなかったの!?」」
「「なんで言わなかったんだ!?」」
付き合っている2人以外のあたし達は同時に叫んだ。
でも、今なら2人が付き合っているのは分かる気がする。
最近よく2人で帰ってたし、千沙は亮介君の事が好きと教えてくれたし…。
それに2人とも幼馴染みらしいし、亮介君は千沙の事好きとか聞いたこともあったし…。
くっついてくれて嬉しいけど…やっぱり、
《秘密》にされると悲しいかな?

