・ ・ ・ 「北山さん、帰ろ」 「う、うん!」 放課後、いつも通り鞄を持って立ち上がる南雲くんを、追いかける。 少し前を歩く南雲くんの髪が、太陽の光に照らされる。 それはすごく、綺麗で。 「夕陽ちゃん!」 と、後ろからかけられた声に振り向けば、そこには伊織先輩。 最近よく会えて嬉しかったりする。 「伊織先輩」 「夕陽ちゃん、誕生日おめでとう」 そう言って差し出された、小さくて可愛い箱。