「絢星くん」 「うん」 お互いに、空を見上げたまま話す。 「私を好きになってくれて、ありがとう」 「え…」 「絢星くんが付き合ってくれなかったら、私、こんな幸せな気持ち知らなかった」 知らなかったよ。 幸せすぎると、涙が出て来るってことも。 「そんなの、俺の方こそ」 ちらりと横を見れば、絢星くんは空を見ていた。