「はぁっ…はぁっ…」


急いで逃げて来たからすごい疲れた…。


一階の女子トイレ前からスタートした。


私は今、2階にいる。


南校舎2階は3年生の教室とつきあたりに美術室がある。


運良く、美術部副部長の私は鍵を持っていたため、中に入ろうと思い美術室に向かった。


「そらっ!!」


背後から声がした。


「か、神谷君!?」


「一緒に逃げない?」


喜羅の為に断るべき…?


でも、いいやっ!


2人は付き合っている訳じゃないもんねっ!


後で…。


ちゃんと話そう。


神谷君の事はなんとも思ってないよって。


「うん!一緒に逃げよ!丁度1人って心細いなぁって思ってて…」


「そっか…。断られたらどうしようかと…」


神谷君は親しみやすい笑顔を私に向けた。


この時、誰かが見ていたなんて思ってもいなかった。


「神谷君、私副部長だから美術室の鍵を持っているの。だから、美術室に行こうよ!」


「そら、ナイス!オッケ、行こう!そろそろ鬼が動き始めるよ!急ごうっ…!」