焦ってしどろもどろになりながら言葉を足す。
「すいません!あ、あの…えーと…私、少し霊感があって…
その…大した力じゃないんですけど…何となくそんな気がして…」
絶対変な子だと思われた。
いつも行くスーパーマーケットのお姉さんなのに…困るな…
困っている私を彼女はまじまじと見て、それから淋しそうに笑った。
「霊感…そう…
そんな人もいるのね…私にもそんな力があればいいのに…
そうすれば、あの人と話しが出来るかも知れない…」
「え?」
「あっごめんなさい。
あなたの言う通りよ。この子の父親は亡くなってるわ。
でも今は再婚したから新しい父親がいる。
この子はまだ小さいから去年亡くなった実の父親の事はもう覚えていないと思う。
今の父親に懐いて…パパ、パパって呼んでいるわ…」
「パパいる〜うわーん」
まだ泣き続けている息子を彼女は抱き上げた。
「分かった、分かった。
パパはリクがご飯食べてお風呂に入って寝る頃に帰って来るからね。さあ、帰ろ。
それじゃあまたね、次はいつものスーパーマーケットで」


