縛鎖−bakusa−

 


「千歳ちゃん…可愛いね…素直で可愛い。

そう言う子…好きなんだ。俺の腕の中で素直に震える子が好き…

言って置くけど、君は自分の意思でここまで来たんだよ。

絶対来いと命令した訳じゃない。

これは…同意の行為だからね…」




この人は今まで何人の女の子を騙して、ここに連れ込んだのだろう…



気持ち悪い心を隠し、爽やかさを偽装して、

私みたいに馬鹿な女の子達を堕として来たのか…



ベットに押し倒され馬乗りに上に乗られた。



今日の為に買った可愛いワンピース。

その背中のファスナーに手を掛けながら、この男は舌打ちする。



「ワンピースは脱がせ難いのに…」

そう文句まで付けて。



もう駄目だと思った。

体が震えて逃げる事も悲鳴すら上げられない。



キモチワルイ感触を体に感じながら、涙を流し目を固く瞑った。



その時…

ジャラリと鎖の音を聴いた。



今度は頭の中からじゃない。

耳にこびりついた音でもない。



確かにいる…すぐ近付くにいる…