「姉ちゃん、ポテチ買っといて。全部食っちまった。

次は普通の薄塩がいい。
季節限定とかもたまにはいいけど、やっぱオーソドックスなのが好き」



「あっそ」




姉が背筋を凍らせる思いで帰ったと言うのに、

こいつは…なんて呑気な奴なんだ。



同じ母親から生まれたのに何の霊感もない弟が心底羨ましい。



あからさまな溜息をついてその場を離れようとした時、

弟は一瞬だけ画面から視線を外して私を見て、その後驚いた顔で二度見した。



「姉ちゃん!
何でずぶ濡れ?傘持ってかなかったのか?」



「持ってた」



「はあ?
じゃあ何でそんなに濡れんだよ。アホじゃん」



「ポテチの種類でしか悩まない、あんたにだけはアホとか言われたくないね。

はぁ…私先にシャワー入るから夕飯の支度遅くなる……

あー!あんた米といでないじゃん!何やってんのよ馬鹿!」