ベッドに寝ころんで、上原くんを思い浮かべてみる。


上原くんが好きな色。
上原くんが好きな歌。

上原くんが欲しいもの…。

考えても考えても、よくわからなかった。

上原くんのこと、何にも知らない。
上原くんのこと、もっともっと知りたい。



そういえば…と、思い出した夏休みの図書館。

画集、借りてた!

文化祭の絵も上手だったし、画材なんかどうだろう。



よし、それだっ!!


ガバッと起き上がり、階段を駆け下りて、靴をつっかけて、ドアをバンと開けて飛び出した。


そうだよ、絵!
なんで直ぐ思いつかなかったんだろう!


もー、私のバカバカ!

嬉しくって、嬉しくって、猛烈に走った。