「宇佐見くん…?じゃあ…またね。」 宇佐見くんは、空を見上げていた。 背中を向けた、そのままの姿勢で、話を始める。 「行かないよ。今日は、急用ができたから…。」 「急用?」 「そう…急用ができたんだ…。」 宇佐見くんはゆっくり振り向き、私に向かって指を指した。 「あなたが、俺の急用です。」 えっ? 「全部見てた…上原さんとあいつと…由里子さんとの…。」 鋭い刃物で、ドンと胸を突かれたような衝撃と痛み。 宇佐見くんに、全部見られていた…。 私は、あの時の自分を思いだして、下を向いた。