「宇佐見くん…。」




完敗だ…。

宇佐見くんの顔を見ると、反射的に涙が出てきてしまう…。



「なんで…いつも…いるの…。」



「だって、この神社、ばあちゃんちの近くで、正月にはいつも初詣に行くって…去年ここで会ったときに言ったじゃないですか…。」





ああ…そういえばそうだった…。


私は両手で顔を覆った。

涙が次から次へと溢れて止まらない。



宇佐見くんは、困ったような顔をしている。



「俺だって、居たくているわけじゃないよ…俺にしてみれば、俺が行くとこになんでいつも上原さんがいるんだって思うよ…。」



ああ、そうだよね…。

宇佐見くんの言うことはもっともだ…。




「これじゃあ…忘れたくても忘れられない。」