「次は、またいつ会えるか分からない…だから、結をたくさん見ておきたいんだ…。」


心が、ギュッと掴まれるみたいだ。

分かってる…上原くんの気持ちも、置かれている状況も、全部、分かってる。



「…私も…同じだよ。」



「だから、もっと…近づいてもいい?」



私は小さく頷いた。

上原くんとの距離が、少しずつ狭くなっていく。



私は目を閉じた。



そっと触れる唇が、私の心をすべてさらっていってしまう。

キスの波は、まるで電流が流れるかの如く、一瞬にして私を貫く。



上原くんは、私にたくさんのキスをくれた。

会えなかった時間を取り戻すように。



だけど、背中に感じる壁の冷たさが、どうにもならない現実を物語っていた。