「結…。」



「うん?」



「いつか、いつになるかわからない、10年先かもしれないし、50年先かもしれない…。」



「ん…。」



「結と…いつか、一緒にいられるように…俺…俺さ…。」




上原くんは涙をこらえて、押し黙る。

瞳に溢れる大粒の涙。

上原くんの辛さが手に取るようにわかった。



「…ん、わかったよ…もう、わかったから。」



私は上原くんの首に腕を回して、上原くんを抱きしめた。



「いつか…必ず…。」


私は何度も頷いた。

それだけで充分だった。





今の私たちでは、どうにもできない。

それは、分かり過ぎるほど分かっていた。



それでもこうして、ほんの少しでも気持ちを通じ合わせられれば、私はあなたをずっと待っていることができる。