校舎の門をくぐり、体育館へ向かう。


胸がドキドキする。


入口に、バドミントン練習会場の張り紙。


深呼吸して、会場に入った。

怖くて前を向けない。


「こっち。」

亜紀に手を引かれて、ザワザワと人の声がする方へ。



― 合宿にいらした皆さんは、荷物をこちらに置いてください ―



私たちは、荷物置き場に向かう。



怖い…

怖いよ…

逃げたい…
帰りたい…



「大丈夫、まだ、あいつは来ていません。」

頭の上で、宇佐見くんの声がした。



「あ、う、うん。」

私は深呼吸して、カバンを下ろした。



― 準備ができた方から、整列してください ―



名前の書かれたゼッケンを渡され、順番に整列する。



緊張して、うまくつけられない。

見かねて亜紀がつけてくれた。