私は、胸に手を当てて、目を瞑った。




上原くんと初めて交わしたキス。

あの時のことを想うと、胸が苦しくて切なくなる。



好きな人に抱きしめられて、唇を重ねる。



幸せで嬉しくて、身体が震えるような初めての感覚。

自分の指で自分の唇に触れて、あのときの上原くんを思い出す。



もう二度と、上原くんに触れることはないんだと思うと、ずっと我慢していた気持ちが溢れてくる。



本当は、会いたくて会いたくてどうしようもない。

本当は、今すぐ抱きしめてほしい。




本当は…ずっとそばにいてほしい。



私は自分で自分を抱きしめる。





上原くん…



好きな気持ちが、こんなにいっぱい。


なんで、上原くんじゃなきゃダメなんだろう…