3学期。


私は、もう泣くのは止めた。

上原くんの話は、一切しなかった。



いつも笑顔でいるようにした。

誰にも、心配かけたくなかった。


もう、忘れたように…みんなの前では、そう振舞っていた。




でも、学校から帰れば、我慢していた気持ちが切れてしまう。



音楽を大きめにかけて、布団に潜って泣いた。

誰にも気づかれないように、一人で思いっきり泣いた。







そして私は、バイトをしようと思い立つ。

このまま、毎日泣いていてもしょうがないと、自分で決めた。



あの、文具店。

上原くんの誕生日の万年筆を買った、文具店で働くことにした。



上原くんが通った場所にいられる。

理由はただ、それだけだった。