「キャー!室谷せんぱーい♪」
「せんぱーい、さっきの女の子誰なんですかー?」
「すごく優しくしてませんでしたー?」
向こうから女子を引き連れて歩いて来る室谷先輩。
それを二人は横目に見ながら通り過ぎる。
刹は終始先輩を睨んでいた。
「人気だなーあの人」
「俺あいつ嫌い」
「え?なんで?」
「女たらしだから」
「え、そうか?女子と遊んでる噂はないけどなー」
「違う。比乃に手出すから」
それを聞いた佐久間は、思わず目を見開く。
「え…?まじ?」
「じゃないとあんな奴どうでもいい」
「…ふーん」
佐久間は顔を少し歪ませて、一度室谷先輩を振り返った。
「なるほどねー」
佐久間はそう言って、刹の肩に腕を回した。
そしてまた、刹から肘押しをくらう。

