そして遂にお昼休み。
私はみっちゃんと教室でお弁当を済ませた。
そして先程の男子、
佐久間健斗(サクマケント)くんの約束の為に、私は屋上へ向かおうとしていた。
……つもりだったんだけど…、
「比乃は教室出るな」
刹が断固として私を屋上に行かせてくれない状態が続いていた。
「な、なんでっ」
「いーから。駄目」
ぎゅうっと私を後ろから抱き締める刹。
早く行かないといけないのにっ。
「もう刹〜!」
首に巻かれる腕を引き離そうとするが、全く動かない。
改めて刹は男の子なんだなと実感する。
いやそうじゃなくて!!
「佐久間くんになんて言われるか…っ」
「好きって言われたいんだろ?」
意地悪くそう言った刹は、後ろから私の顔を覗き込んだ。
「そ、そんなんじゃないってば!」
「……またそんな顔して」
眉間にシワを寄せ、刹は私の目を両手で塞ぎ出した。
「え、ちょっと?!」
「……続きは家でしてやる」
ボソッと小さな声でそう言うと、やっと私を解放してくれた。
「…ぇ」
刹を振り返ると、みっちゃんがくいくいと私の制服を引っ張った。
刹はツンと拗ねているようだ。
「ほら、佐久間くん待ってるよ」
「あ、うんっ」
みっちゃんに言われ、私は一人で屋上まで急いだ。