そして親父と俺が柴咲家に引っ越した初日。







比乃と初めて会った。











見た目は普通。

超標準的だった。











「……誰…?」






でも敵か見方か、いい奴か悪い奴か分からない。


俺は警戒心たっぷりにそいつを睨んだ。








「だ、誰って……柴咲…比乃です…」






俺の顔色を伺いつつそう答える柴咲比乃。


まだよくわかんねーな。





「……で、何」



「え、えっと……手伝おうと思って…っ」





ああ多分親父に言われたんだろうなって思ったら、柴咲比乃は否定した。


まあよく分からない奴に私物触られるの嫌だったから断ったわけだけど。




そしたら他人じゃないとか騒ぎ出して。











こいつ馬鹿だなって分かった。










うるさいから飴口に突っ込んだら叫ぶし。














でもなんとなく、退屈しなさそうだとも思った。