「刹がそんな奴だったなんて……ほんとに失望したよ!!」


「……お、怒るの?」







当たり前でしょうが!!






「何!?刹はそんなこと簡単に出来ちゃう人なの!?」


「比乃はエロいの嫌いなのか……?」







また私の質問を無視して刹は質問で返してきた。


ビクビクしながら上目遣いで私を見つめる刹。



まるでお母さんに怒られる幼稚園児のようだ。







「エロいのとかじゃなくて、刹は誰にでもそんなこと出来ちゃう人なのって言いたいの!!」






めいいっぱい叫んでから刹を見た。



すると、さっきまで怯えていた刹の表情が急に変わったのだ。






「……比乃、お前分かってない」





刹はそう言うと、私との距離を縮めてくる。






「俺はたらしじゃない。誰にでもキスとかキモくてするわけがねぇだろ」







鼻がくっつきそうなほど近くなった刹の顔。



刹の気迫とは裏腹に、私の体温はどんどん上がっていってしまう。