「あれ、もう顔赤くしたりしないんだ」
刹は私の顔をまじまじと見つめながら言う。
「当たり前じゃん!もう刹のからかいには引っかからないもんっ」
「ふーん、つまんねーの」
刹はそう言うと、私を抑えていた力を緩めた。
「もうどっか行ってもいいよ。俺寝るから」
「……あ、うん」
……刹が、
私をどう思ってるのかが、全く分からない……。
どこまでが冗談なのか、
どこまでが本気なのか、
分からない。
分からなくて、時々なぜか少し変な気持ちになる。
すごくスッキリしない。
「…何。行かんの」
そう眠そうな目で私を見つめる黒猫くん。

