モゴモゴと抵抗するが、布団の中で私を抱え込むように拘束している刹は全然離してくれそうになかった。
「せ、刹!またっ、」
「比乃あったけー」
な、
なんかデジャヴ…。
「わ、私刹の部屋で寝るから!離して!」
「一緒に寝ればいいじゃん」
「そそそ、それはさすがに駄目でしょ!!」
こんな細い体して、どこにそんな力が……!
私が必死に抵抗していると、不意に刹はキッと私を見つめた。
「俺弟だけど?」
……ま、まあそれはそうだけど。
え、でもこの年になって姉と弟一緒に寝るとかありなの?
ていうかそもそも私達義理の姉弟なわけだし…。
「…ブッ」
「…!?」
もんもんと悩む私をじっと見つめていたかと思えば、突如吹き出した刹。
「何真剣に考えてんの?(笑)」
……ま、またからかったな!!?
「…し、信じられない!なんでそんなことばっかすんの!?」
「だって面白い」
「私は全然面白くありません!!」
私は必死になって怒鳴るが、
刹はお構い無しにケラケラとおかしそうに笑っている。
「……刹って意地悪すぎ」
「好きな子いじめたくなるのは男の性だからな」
……でたな。
「またそんなこと言って!もう騙されないから!」
この手は二度目。
もう引っかからないぞ。

