「なんで刹そこまで室谷先輩のこと嫌いなの!?」
「たらしだから」
清々しいほどの即答…。
「じゃあ刹は室谷先輩が色んな女の子とイチャイチャしてたらそんなに嫌なの…っ?」
私の質問の解答には間があった。
「…別に」
何それ……ほんとに意味わかんないよ刹…。
考えてることが全く分からない!
「……でも、あいつが比乃に手出したら殺しそう」
「…………え」
そんな衝撃的発言に私の思考は停止した。
すると、
「はーいお2人とも。リビングでそんな話してないで部屋上がって2人で話しなさい」
突然にこにこ笑ったお母さんが私達の背中をポンと叩いた。
……ハッ!
ここリビングだった!!
「あのっ、お母さんこれは、」
「そんなのまた今度聞くから早く部屋上がりなさいって」
なぜか楽しんでいる様子のお母さんは、私と刹をリビングから追い出したのだ。
「と、とりあえず…部屋行こっか」
廊下で刹に声を掛けると、刹は無言で頷いて階段を上がって行った。

