「な、何!?」 「いろーーーーいろってーーーーー」 体を揺らしながら私に向かって大声をあげる黒髪の彼。 だ、駄目だ! 惑わされちゃ駄目だ!! 「…ど、どうせ暇だからでしょ!?」 「え、よく分かったな」 「帰ります」 再びドアノブに手を掛けると、同じように刹は叫び出した。 「あぁもう!何よっ。なんでそんなにいてほしいの!?」 「俺比乃のこと好きだから」 私は目を見開いて、ドアノブから手を離した。