私のお父さんは3年前に交通事故で亡くなってしまった。

それからはお母さんと私の二人で生活をしてる。




現在高校2年の私を女手一つで育てるのは、やっぱり大変だと思う。




「お母さん、手伝うよ」




だから私はお母さんと一緒に頑張ることを決めた。



お母さんが私を守ってくれているから、

私は出来る限りお母さんを支えることにしたのだ。





「……あのねぇ比乃」



玉ねぎを切る私の横で、お母さんがぽつりと話し出す。



「うん?どうしたの?」


「……お母さん、再婚しようと思うの」






ピタリと包丁を動かす手を止まる。




え……?

さ、再婚!?




「うそ、いつ!?」


「比乃にも話してからって言ってあるから、なるべく早めにしようかと思ってる……」





ちらりと私を見るお母さん。


なんだかその表情は、怒られるのを待つ子供のようだった。


……え?




「なんでそんなに申し訳なさそうなの?」



首を傾げる私を見て、お母さんは苦笑いをする。




「だって比乃、お父さんのこと大好きじゃない。
私もお父さんのこと大好きだけど、比乃が許してくれるかなって……」




そう心配そうに言ってくるお母さんに、私は思わず吹き出してしまった。