「おいで比乃」
「……っ」
刹の馬鹿。
私は怒ってるんだから…。
しかし私はゆっくりと刹の座るベッドへと歩み寄った。
そしてそのまま刹は私をぎゅっと抱き寄せて布団の中に連れ込んだ。
全くもって手つきが早い。
「比乃なんで怒ってるの?」
「……知らない」
「俺のタイプが比乃と真逆だから?」
「い、いつの話してんのっ」
「嘘。ごめん、いじめた」
突然静かにそう言った刹は、きゅっと私を抱き締めたまま顔を埋めた。
…えっ?
「……嘘って…」
「比乃の反応がおもしろくてからかってた」
「…ま、またぁ!?」
ほんっと意地悪だ!
刹の馬鹿!!
私が刹から離れようとすると、刹はぎゅっと私の腰に回っている手に力を入れた。
そしてもう一本の手を私の頭の後ろに回す。
「俺は比乃と姉弟じゃなくても、比乃のこと見つける」
「……へ」
「絶対比乃のこと好きになる」
……なんだかんだ、
やっぱり刹は私の欲していることも何もかも分かってくれてるんだ。
「…うん」
「ほんとに」
「う、うん…ありがとう、分かった」
「大好き」
ひ、ひぃぃ〜〜!!
恥ずかし過ぎるってばぁぁぁ!

