「「いってきまーす」」
朝食を済ませた私と刹は一緒に家を出た。
天気は晴れていて、スズメのさえずりがあちこちから聞こえてくる。
隣に立つ刹は大きなあくびをしていて。
私の学校の制服を着ている刹が、なんだか変な感じだ。
「……」
「……」
歩き出すと、無言で一歩後ろをついてくる刹。
話すことなんてないし、無言になるのは仕方ないけど。
…落ち着かないっ!
「……ん?」
チラリと刹の方を振り返ると、
何やら刹はキョロキョロと辺りを見渡していた。
「どうしたの?」
「道覚えてんだよ」
うるせーな。と付け足してまたキョロキョロし出した刹。
ふ、普通に覚えられないの…?
「もしかして方向音痴とか?」
「ごめん真逆だわ」
…あ、そうですか。
なんとなく気まずい空気のまま歩いていたので、ちょっとだけ学校までの道のりが長く感じた。

