「うわ、顔真っ赤」 見事に嘲笑してみせる刹に私は余計ムカムカした。 「刹のせいでしょ!」 ほんとに死ぬかと思ったんだから! 「はいはーい、もう分かったから部屋から出ろよ」 「…………え?」 「制服に着替えるんだよ。邪魔」 刹はしっしっと手で払うような仕草をしながら、私を無表情で見つめる。 な、なんなの……。 逃がさなかったり邪魔者扱いしたり。 ほんとに意味の分からない性格だ……。 「ふんっ」 私は精一杯怒りを表現するべく、鼻を鳴らして刹の部屋から出た。