「…なんで?」
佐久間くんは不思議そうな顔をする。
これも自己満足の勝手に過ぎない。
「比乃ってさ、馬鹿だけどすごい優しいじゃん」
佐久間くんなら充分というほど分かってるだろうけど。
「でも私のこの問題って、答えなんか出ないじゃん。自分の意思の問題だし」
どっちを取っても辛い思いをする選択。
そんなの、
「比乃に相談したら、あの子きっと傷つくから」
可愛い比乃。
馬鹿みたいに優しい。
「あの子のことだから、きっと『いつも相談乗ってもらってるから、私もみっちゃんの力になりたい』的なこと考えてるでしょ?」
「だろうね」
クスリと笑う佐久間くん。

